日陰に咲く

夢で見た花がとても綺麗で

きっとどこかにあると 探し回った

まだ微かに残る感触を忘れないように

花の名前を思い出せるように 刻んで


本当はわかってた 希望なんて無かった

「信じれば報われる」なんて信じちゃいない


悲しみは 光になって

その体を 優しく包んで

消えぬ傷跡を 

陽だまりに閉じ込めて

そっと 空に放って

君が二度と 迷わないように

祈るように 日陰で息をする


大人になった少年の色褪せた言葉

守れなくて当然の ふざけた誓いも

目を瞑った瞬間に 風に乗った匂い

ふいに 溢れ出す記憶

振り向いても 君はいない


あの花は 夢に置き去って

二人だけの秘密に変えて

未来も過去も 

陽だまりに閉じ込めて

いつか 時間が経って

君のことを忘れないように

誓うように 日陰で息をする